海外安全対策情報 平成29年度第4四半期(平成30年1月~3月)

平成30年4月5日
1. 社会・治安情勢
 サンパウロの治安は依然として回復の兆しを見せず,サンパウロ市及び周辺の都市においては,拳銃を使用した強盗事件や強盗殺人事件などの凶悪事件が昼夜を問わず多発している。また,サンパウロ市中心部のパウリスタ大通りを中心に,様々な目的を掲げるデモが頻繁に発生している。
 

2. 一般犯罪・凶悪事件の傾向

(1)殺人の発生件数は減少しているものの,邦人被害が多発している強盗や窃盗については高止まりの状態にある。特に強盗事件については,そのほとんどが拳銃を使用したものであり,逃走や抵抗したりすると命に危険がおよぶ可能性が高いため,細心の注意が必要である。

(2)邦人被害
 ア 強盗
  (ア) 1月24日(水)午後,被害者がサントス市内のバスターミナル方向に歩いていたところ,サンフランシスコ大通り付近の空き地において突然前方に男が現れ,進路を塞ぐようにゆっくりと歩き始めた。その直後,後方から別の男が被害者に襲いかかり,所持していたバッグを強奪しようとした。被害者がこれに抵抗したところ,賊は被害者に暴行を加え始めたため,被害者が大声をあげると,賊はICレコーダー等を奪って逃走した。
  (イ) 3月14日(水)午後8時30分頃,被害者2名が乗車していた車両が赤信号のためサンパウロ市リベルダージ地区タマンダレ通りとガルヴァン・ブエノ通りの交差点で停車していたところ,突然賊1名に助手席の窓ガラスを破壊され,助手席同乗者が所持していたバッグを奪われそうになった。しかし,バッグがシートベルトに絡まり,すぐに信号が青に変わったため,賊は犯行を断念し逃走。窓ガラスが破壊された際に飛散したガラス片により助手席同乗者が軽傷を負った。
  (ウ) 3月16日(金)午後5時頃,被害者2名が乗車した車両が赤信号のためサンパウロ市ジャルジンパウリスタ地区サントス通りとカンピーナス通りの交差点付近で停車したところ,拳銃を所持した賊1名に金品を要求された。被害者2名は携行していた腕時計を賊に手渡し,さらに携帯電話も要求されたが,信号が青に変わり周囲の車両が動き出したため,賊は逃走した。

 イ 窃盗
  (ア) 3月9日(金)午後7時15分頃,被害者がグアルーリョス空港から会社雇用に係る運転手の車両にてサンパウロ市内に向け出発し,30分程度走行したところで左前タイヤがパンクしたことが判明したため,路肩に停車して運転手がタイヤ交換を開始した。しばらくして,後方から歩いてきた男が車内で待機する被害者に対し,「大変な作業だから手伝うべきだ」と話しかけてきたため,被害者が降車すると数分後に男は車両前方へ立ち去った。タイヤ交換が完了し走り出した時点で後部座席足元に置いていたバックが盗まれていることに気がついた。
  (イ) 3月17日(土)午後7時30分頃,被害者がサンパウロ市ヘプブリカ地区イピランガ大通りの地下鉄ヘプブリカ駅直近にてタクシーを降車し,レストランの場所を確認するために携帯電話を取りだしたところ,自転車に乗った賊に携帯電話をひったくられた。
 

3. テロ・爆弾事件発生状況
テロ事件の発生は認知していないが,現金を目的とするATMの爆破はサンパウロ市内を中心に多数発生している。
 

4. 誘拐・脅迫事件発生状況
  邦人被害は認知していない。
 

5. 日本企業の安全に関わる諸問題
  当該諸問題に関する情報には接していない。