清水総領事 新年の御挨拶(令和6年)

令和6年1月4日




 
 謹んで新年の御挨拶を申し上げます。
 
  本年1月1日、能登半島地震が発生いたしました。多数の人的被害、建物倒壊、火災など、非常に大きな被害が確認されている状況です。この場をかりて、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、御家族にお悔やみを申し上げます。また、被災された全ての方々にお見舞い申し上げます。
 
  さて、私は昨年11月の着任直後から日系社会、日系進出企業の方々、サンパウロ州政府などの当局、ブラジル企業幹部や有識者の方々などすでに多くの人たちにお会いました。それらの皆様と親しく接してお話をうかがう中で、改めてサンパウロのダイナミズムを感じております。サンパウロ州は、ブラジル経済の三分の一、人口の五分の一を占めるまことに強力長大な州でありますが、その州都であるサンパウロ市は南米随一の大都会でありながらどこか人懐っこいところがあり、おおらかで優しい面が感じられます。そしてそのような魅力を備えた街には常に日系人の姿があり先輩たちの足跡が遺されていることがわかります。実際に当地で仕事をして以上のような気持ちをしばしば抱いております。
 
  今年は辰年です。飛躍の年といわれますが、まさにブラジルにとってG20の議長国として大いなる伸長発展の一年となることでしょう。11月に開催予定の首脳会合以外にも種々の閣僚レベルの会合が各所で開催され、サンパウロへも多くの要人が来訪されることでしょう。日本から様々なレベルの大勢の方々がいらっしゃることを通じて、確実に日本とブラジル、日本とサンパウロとの関係が深化してゆくに違いありません。
 
  このような中で、私たち総領事館の役割も大きなものがあります。着任挨拶でも触れましたが、実に広範な分野で日本の貢献が期待されています。日系社会の皆様、企業の方々とは一層密にお付き合いさせて頂く考えですし、ブラジルの方々には引き続き日本の魅力を発信していきたいと思います。
 
  私は、昨年の着任後初めての行事としてイビラプエラ公園内の日系人ゆかりの地を訪れました。今の日本とブラジルとの良好な関係があるのは、何にもまして日系人先達のお蔭であります。温故知新と言われますが、「移民史料館」(市内リベルダージ地区の文協ビル内)で先人の足跡を静かに振り返っておりますと、苦難に立ち向かいつつ、強くて朗らかで巧みな当時の人々の鼓動が感じられます。先人敬慕の中から将来への大いなるヒントが得られるような気がいたします。
         
  本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
 
令和甲辰正月
       在サンパウロ総領事  清水 享