サンパウロ案内

令和6年6月3日

 

令和6年4月
在サンパウロ日本国総領事館

   

 

目次

 

  I. サンパウロの概略
  II. サンパウロ州における日系社会
  III. 防犯対策
  IV. 市内観光名所
  V. お知らせと注意
  VI. 買い物情報
  VII. 通信
  VIII. 主要連絡先
      別添1 在サンパウロ日本国総領事館管轄域
      別添2 グアルーリョス空港案内
      別添3 サンパウロ地下鉄地図
   

 

I. サンパウロの概略

 

1. 地理

 サンパウロ市は南半球の亜熱帯地域にあり、南緯23度32分 西経46度38分 標高約800mの高原地帯にある。その地形は穏やかな波状を呈しており、南回帰線上にありながら気候は概して温暖。しかし気候の変化は極めて複雑であり、一日のうちに四季があるといわれる程で、街を行く人々の服装も様々で夏姿もあれば冬服の人も見受けられる。夏の日中は相当暑いが、夕方から夜にかけては凌ぎ易い。ただし、午後に雷を伴う大雨に見舞われることが頻繁にあるため、たとえその時点では晴れていても外出時には注意が必要。一方、冬でも日中はかなり温度が上がり東京のように寒さが続くことはまれ。
 
サンパウロ/東京 平均・最高・最低気温と降水量
【出典:気象庁(2023年)】
 

 

2 歴史

 16世紀半ば、ポルトガル王、ドン・ジョアン3世により、植民地の慰撫と、原住民の教化のため派遣されたイエズス会僧が、ピラチニンガ高原(現在のサンパウロ中心部)に学校を建て傍らに礼拝堂も創設した。この礼拝堂にて1554年1月25日に落成のミサを行い、この日が「聖徒パウロの日」であったため、サンパウロ市制記念日も同様となった。サンパウロ市の名称の由来は同校名の「コレジオ・デ・サン・パウロ」であるとされている。16世紀末から17世紀にかけてのサンパウロは、本国ポルトガルとは距離的にも遠く、海岸線との交通も困難であったため、人口もわずか1000名程の小さな集落にすぎなかったが、ブラジルでは唯一の集落として注目されていた。

   
コレジオ・サン・パウロ (写真 サンパウロ市HP)

 17世紀中頃からは奥地探検隊(バンデイランテス)の根拠地となったが、19世紀初頭までは都市らしい都市の形成は見られなかった。やがて、1830年頃よりサンパウロ州各地でコーヒー栽培が始まり、サンパウロはサントス港へのコーヒーの送り出し基地として急速に発展した。このコーヒー景気で財を築いた農園主のなかには、皇帝から爵位を授けられる者もおり、彼らはコーヒー貴族と呼ばれた。
 1888年の奴隷制度廃止令によって、コーヒー農園の人手不足は深刻となり、多数の外国人移住者の導入が始まった。サンパウロはコーヒーによる好景気と移住者導入により新しい活気が生じ、「コーヒーの都」として世界中に知られるようになった。
 一方、19世紀に端を発した工業はサンパウロに大きな飛躍を与え、1920年代には南米第一の工業都市としての地位を獲得した。今日サンパウロ州はブラジル全土の工業生産の約3割を占めるに至り、その産品は、南米諸国はもちろん、欧米、アフリカ、アジアへも輸出されている。
 

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II. サンパウロ州における日系社会

 

戦前から現在までの流れ

 外務省「海外日系人数推計」によると、2023年10月1日現在、ブラジルには推計約270万人の日系人がいるとされ、海外最大の日系社会が現存する。その幕開けは1908年に神戸港を出発し、サントス港を到着した第一回移民船笠戸丸による日本人集団移住であった。戦前から戦後にかけて日本からブラジルに移住した者は約24万人であり、その子孫に当たる世代は現在6世にまで上ると言われている。その間、ブラジル社会と日系社会の融合が進み、様々な業界において日系人の活躍が顕著になった。
  1990年に出入国管理及び難民認定法の改正により「定住者」の地位が新設され、3世までの日系人及び彼らの非日系人配偶者の入国が認められるようになった。これを機に就労を目的にブラジルから本邦に移住する日系人及びその家族が増加し、その総数は最盛期の2007年末で約32万人に上ったが、その後、2008年の経済危機の影響により多くのブラジル人が帰国し、法務省の在留外国人統計によれば、2023年6月現在、約21万人となっている。在日日系ブラジル人社会では、世代交代も進み、新たな日系社会が形成されつつある。
   サンパウロには世界で唯一、日本の47都道府県すべての県人会が存在し、これらの多くはサンパウロ市内に集中している。その他に、医療・福祉機関、老人会、各種サークル(カラオケ、華道、茶道、日本舞踊、ラジオ体操、ゲートボール、パークゴルフ、野球、相撲など)、日系宗教諸派の本部の多くもサンパウロ市内に所在する。
   外務省の「海外在留邦人数調査統計」によると、2023年10月1日現在、ブラジル国内の在留邦人数の累計は4万6902人に至り、うち1万1840人がサンパウロ市内に居住している。また、国別在留邦人数推計において、ブラジルは世界7位に位置している。

出典:   外務省:海外日系人数推計    
            法務省:在留外国人統計    
            外務省:海外在留邦人数調査統計
            外務省:ブラジル連邦共和国基礎データ
 

主要日系団体

 
(1) ブラジル日本文化福祉協会
 在ブラジル日系人の代表機関であり、また、地方の日系人会や各文化団体を結束する中央日本人会的存在でもある。通称「文協」。日系人の生活、文化の向上のため、啓発活動のほか、美術、生け花、音楽等の文化事業、日系子弟の奨学・育英事業、図書館の運営等を行っている。
 また、日系社会代表機関として、1998年の日本移民90年祭、2008年の100年祭、2018年の110年祭など、日系社会全体で行う事業の中心的役割を担ってきた。東洋人街にある9階建ての本部建物の7・8・9階にある移民史料館では日本人移住者の姿を伝える貴重な史料が展示され、移住者の歴史を一目で見ることが出来る。1200席を備える大講堂もあり、展示室は年中各種催しで賑わっている。また同協会は市内イビラプエラ公園の一画にある日本館(日本庭園、錦鯉の泳ぐ池、美術品の展示室がある)を管理しており、一般市民に日本文化の一端を伝えている。
 地方の日系人はそれぞれ日系人団体を組織しており、地域日系社会の代表機関の役割を果しているほか、日本語学校の経営、野球、陸上競技、ゲートボールなどのスポーツ大会、踊り、カラオケなど、地域を挙げて行事を催し会員相互の親睦につとめている。
 
(2) サンパウロ日伯援護協会
 当地日系社会を代表する医療・福祉団体で多方面に活動を展開している。通称「援協」。医療面では総合病院「日伯友好病院」、日伯友好病院医療診断センター、サンミゲルアルカンジョ病院、イタペチニンガ病院の医療機関を運営、また地方への巡回診療を実施している。福祉面では日伯福祉援護協会として、福祉相談、生活援護、老人ホーム(高齢者施設3、特養ホーム1)の運営などを行っている。
 「日伯友好病院」は、1988年6月に移住80周年記念事業として現地での募金や日本政府、民間の資金援助で完成した。地下1階~地上6階、病床数240の近代的な病院で、日系人のみならず一般市民を対象に、日本製などの最先端医療機器を導入して高度な医療サービスを提供している。
  さらに2009年3月、同協会は創立50周年を記念して、援協福祉センター(地下2階~地上5階)を完工、本部事務局、日伯友好病院医療診断センター(各科、人間ドック、歯科)の他、福祉部では高齢者デイサービスを行っている。
 
(3) ブラジル日本都道府県人会連合会
 在ブラジルの各県出身者は、県人間の相互扶助、親睦を目的にそれぞれ県人会を組織して、本邦の都道府県と密接な関係を保ちつつ、留学生の送出、日本からの使節等の受入れ、姉妹都市の提携に伴う文化交流などの活動を行っている。通称「県連」。これらの在ブラジル都道府県人会の連合機関として組織されたのがブラジル日本都道府県人会連合会である。同連合会は、各県人会の相互の連絡、支援をはじめ、世界最大級の日本文化イベントである「フェスティバル・ド・ジャポン(日本祭り)」の開催、開拓先没者慰霊碑の管理、移民のふるさと巡りを行っている。
 
(4) 日伯文化連盟
 日伯両国の文化交流の促進を目的として1956年に設立された非営利団体。通称「アリアンサ」 。南米最大の日本語教育機関として、国際交流基金と連携した日本語講座(まるごと)を開講。外国人対象のポルトガル語講座や翻訳入門講座などの特別コースのほか、生け花や折り紙、切り紙、書道、マンガなどの文化教室も提供している 。
 
(5) ブラジル日本商工会議所
 1940年に設立され、進出日本企業を中心に、地場の日系企業、非日系企業を合わせてブラジル全土で300社が会員となっている(2023年10月時点)。日伯関係強化、ブラジルのビジネス環境改善等を目的として活動しており、ブラジルにおける代表的な日系経済団体である。
 
 

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III. 防犯対策

 

 サンパウロでは盗難被害のみならず拳銃を使用した強盗等の各種犯罪が市内全域で昼夜を問わず発生している。また邦人を被害者とする事件も多発しているので、外出時には特に次の点に注意すること。

 


 ・  常に緊張感を持ち、周囲に視線を配る。
 ・  外出時はラフな服装にし、できるだけ複数で行動する。また、人目をひくような腕時計、アクセサリー等は身につけない。
 ・  歩きスマホは絶対にしない。
 ・  ハンドバック等を持ち歩くときは、胸のところで抱える。
 ・  強盗に遭った際、差し出すための財布又は現金を用意しておく。
 ・  夜間の外出には十分注意し、1人での外出は避ける。外出する場合は車両を利用する。
 ・  身分証明書、クレジットカード等は財布とは別に携帯する。
 ・  強盗被害に遭った場合、絶対に抵抗、逃走せず、相手の指示に従う(当地の犯罪者は多くの場合銃を所持している。)。
 ・  道路を横断する時は信号が青でも十分注意する(ブラジルでは車優先)。
 ・  空港など人混みの多いところでは自分の荷物等に気をつける。
 
 ※ 詳細は、当館ホームページ、安全対策情報のサンパウロにおける「安全の手引き」を参照願いたい。
 


<治安情報>
 
 ・ 治安は悪い(州内で発生する人口10万人あたりの2023年強盗件数は、日本の約542倍、殺人件数は約8倍)。
 ・  2023年の犯罪発生件数については、前年に引き続き、強盗・窃盗ともに多発傾向にあり、引き続き十分な注意が必要。
 
  強盗:26万5499件
  窃盗:67万536件
 

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IV. 市内観光名所

 

(1)イピランガ独立記念塔と博物館 / Parque da Independência,Museu Paulista
 市の東南、イピランガの丘に独立記念塔と州立博物館がある。独立記念塔が建っている場所は、ドン・ペドロ1世が1822年にポルトガル本国に対して独立の宣誓をした由緒ある地。同塔は独立100年祭の1922年に除幕。博物館は1895年開館、歴史、人類学、動物標本に関する展示を有する。ヴェルサイユ宮殿を模して造られた庭園や噴水などがあり、市民の憩いの場所として親しまれている。2022年9月7日の建国200周年記念日に9年間にわたる改修工事を経て、再び開館した。
(写真: サンパウロ市HP)
(2) イビラプエラ公園 / Parque Ibirapuera
 1954年にサンパウロ市政400周年祭を記念してサンパウロ市南部に造成された120ヘクタールの広大な公園。公園近くには、サンパウロ州議会をはじめ、1932年のサンパウロ州による護憲革命記念の塔、奥地探検隊(バンデイランテス)の石像などがある。
 
(写真: 鈴木なほみ)
 
(写真: ブラジル日本文化福祉協会HP)
●「日本館」(ブラジル日本文化福祉協会管理):桂離宮を参考に設計された数寄屋造り建築。茶室、鯉池、展示室(50数点の日本の美術品を展示)等を有する。上皇陛下お手植えの松、安倍総理(当時)の植樹(イペー樹)等がある。1954年、サンパウロ市創生400年祭の折に建設された。
(写真: 在サンパウロ総領事館 総務班)
●「開拓先没者慰霊碑」(ブラジル日本都道府県人会連合会管理)日本人移住先駆者の霊を慰めるため本邦及びコロニア有志の寄附により建設、揮毫は田中角栄元総理による。皇室、要人が来伯した際にはほぼ必ず参拝をされている。
(3) カテドラル大聖堂 / Catedral Metropolitana
 サンパウロの方位起点となっているセ広場に位置する、奥行111m、巾46m、尖塔の高さ97mというゴシック様式の大教会。8000人を収容できる内部にはブラジル史における宗教上の出来事を描いたステンドグラスや、彫刻家オノフレ・モンテクスコの36年間にわたる力作の像などがあり、礼拝堂下部には歴代のサンパウロの司教が葬られている。
 サンパウロ市はこの教会を中心にして広がっており、道路の住所番号の少ない方へ向かっていくと教会にたどり着くようになっている。
   なお、セ広場付近は治安が悪く、訪問は控えるのが望ましい。
(写真: 在サンパウロ総領事館 総務班)
(4) 大学都市 / Cidade Universitária
 サンパウロ市西部のピニェイロス川岸とブタンタンの丘陵地にかけて大学都市が所在。1934年、既存の単科大学を集めて、サンパウロ州立総合大学(USP)が創立されたが、幾つもの学部が市内各地に散在する状態では支障をきたすので、60年代始め面積500万平方メートルの大学キャンパスが建設された。世界大学ランキングでは常に南米上位であり、ブラジルでは首位。その規模、近代的設備から名実ともにブラジルにおける学問の殿堂となっている。大学都市内だけでなく、サンパウロ市東部キャンパス、州内各地方都市、計15ヶ所にキャンパスを有する。学部学科数は約90で、約5400人の教授陣と約97000人の学生をし、卒業生はブラジル全国に散って各分野での中心的人物になっている。文学部の東洋学科には日本語科及び日本文化研究所があり、日系教授・講師のほか日本からの派遣教授が数名いる。日本文化研究所は高度な日本文化の研究、調査、並びに普及を目的として、日本政府、経団連等本邦民間団体からの援助及び当地日系社会を中心とする民間人からの募金により建設(1976年7月29日完成)されたものである。
 
(5) サンパウロ美術館 / Museu de Arte de São Paulo
 市内目抜き通りの一つパウリスタ大通りに面する地下1階、地上3階の高床式ビル。収蔵品は西欧の絵画を中心とした逸品揃いで有名であり、千点近い収蔵作品の大部分は、第二次世界大戦中にブラジル新聞王アシス・シャトーブリアンが買い集めたものである。ブラジルの画家の他、中世以降の西欧画家の作品を集めており、世界的に有名な美術館である。作品にはフランドル派のハルス、レンブラント、ルーベンス、印象派のモネ、マネ、セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、後期印象派のユトリロ、マチス、及びスペインのグレコ、ゴヤ、ピカソ等の作品を多数展示。地上階では毎週日曜日に骨董市が開催、観光客で賑わう。
 
(写真: サンパウロ市HP)
 
(6) 東洋人街・東洋市 / Bairro Oriental, Feira Oriental
 リベルダーデ・アフリカ・ジャポン広場を起点とするガルボン・ブエノ通り一帯には日系、中国系、韓国系の商店、レストラン、ホテルが軒を連ねている。ガルボン・ブエノ通りとサン・ジョアキン通りが交差する地点には、ブラジルの日系団体を代表するブラジル日本文化福祉協会がある。ジャポン・リベルダーデ地下鉄駅上のリベルダーデ・アフリカ・ジャポン広場では毎週日曜日「東洋市」が開かれ、各種日本食屋台をはじめ、盆栽、竹細工の屋台などが出店、観光客や市民で賑わう。同広場では、花まつり(4月)、七夕まつり(7月)、餅つき(12月)等の日本文化行事の他、中国旧正月の祭り等も開催。
(写真: ディスカバー・ニッケイ)
(7) ブラジル日本文化福祉協会・文協ビル / Edifício Bunkyo
 日本とブラジルの親善関係を深め、日系社会の活動拠点としての役割を担っている。建設及び敷地購入に際して日本政府から20万ドル近い補助金を得て1964年に完成した。その後、1978年に増設を行い9階建ての建物となった。ブラジル日本文化福祉協会は日系社会の代表的性格をもち、ブラジル各地の日系団体と提携している。また、同会施設のブラジル日本移民史料館が設置されている。同ビル内には、ブラジル日本移民史料館、大講堂、小講堂、多目的ホール、図書館等の施設を有する。その他、ブラジル日本都道府県人会連合会事務所、裏千家茶室、サンパウロ人文科学研究所、生け花協会、ブラジル太鼓連盟等の日系団体が所在。
 
(8) ブラジル日本移民史料館 / Museu da Imigração Japonesa
(写真: ブラジル日本文化福祉協会HP)
 日系社会の歴史を伝える博物館として1978年に開館。1908年第一回笠戸丸移民以来、日本人移住者がどのような経過を経て、現在海外最大の日系社会を形成したのかという歴史を、ブラジル各地から集められた豊富な史料の展示により紹介している。
   2018年に展示施設の大規模な改修および近代化が行われ、2019年には新しく研究・教育スペース追加されるなど、常に趣向を凝らした展示で多くの来館者を迎えている。
 
(9) セアジェスピ / CEAGESP(州営食料配給センタ-)
 市の中心部にあった中央市場が市場の拡大と共に手狭となったため、日系農業組合が中心となってサンパウロ州当局との共同事業として現在地に移転を計画。1962年から起工、1966年始めに現在の地に落成し移転した。敷地は70万平方メートルあり、南米で最大の広さである。ここは、青物、鮮魚、精肉などの集散地でサンパウロ1000万市民を対象とするだけでなく、他都市、南米各国への配給元となっており、昼夜を問わず稼動している。センター内は、日系の生産者団体、商業者などが大半を占めている。
(写真: Globo HP)
(10) 植物園 / Jardim Botânico
 別名「蘭公園」ともよばれ、蘭科植物400種、ベゴニア植物60種が育成され、世界的にも有名である。公園の敷地内では野生の猿やオオハシを観察することもできる。タクシーで中心街より約30分。
(写真: サンパウロ市HP)
(11) サンパウロ州政府庁舎 / Palácio dos Bandeirantes
(写真: サンパウロ州政府HP)
 1965年、建設途中の大学用の建物を買収し、改造を加えて州政府庁舎とした。3万4千平米の広大な敷地を有する。パラシオ・ドス・バンデイランテス(バンデイランテス宮)と呼ばれる。「バンデイランテス」とは、17世紀にサンパウロから出発し金や奴隷(インディオ)を求めて、トルデシリャス条約の範囲を超えて奥地を開拓した探検隊の総称で、この開拓が現在のブラジル領を形成する土台となった。
(12) サッカー競技場 / Estádios de Futebol
 ブラジルは“サッカーの王様”といわれているペレを生み、またワールドカップで5回優勝したサッカー王国である。市内各所にサッカー競技場が所在するが、代表的な競技場は次のとおり。
 
(写真: サンパウロ市 HP)
アレーナ・コリンチャンス(通称:イタケロン)
サッカー・ワールドカップの開会式会場として2014年落成。サンパウロ市東部のコリンチャンス・イタケーラ駅に所在。コリンチャンス・フットボールクラブ所有。収容人数は約4万8千人。
 
(写真: SPFC HP)
モルンビー競技場
1960年に開場した国内第3位の収容人数(約6万7千人)を誇る大型スタジアム。サンパウロ・フットボールクラブ(SPFC)のホーム競技場。数々の国際試合に加え、マイケルジャクソン等有名歌手のコンサートにも使用されている。
 
(写真: サンパウロ市HP)
パカエンブー競技場
1940年に当時の南米最大の収容人数を誇り開設されたサンパウロ市立の歴史ある競技場。1978年、皇太子同妃両殿下(現在の上皇上皇后両陛下)をお迎えして日本人移住70周年記念式典が開催された。また、1988年の移住80周年記念式典もこの競技場で実施。2021年から大規模な改修工事が進められている。競技場に隣接したサッカー博物館も2023年11月から改修工事を行っており、2024年4月頃の営業再開を予定している。
 
(13) JAPAN HOUSE São Paulo / ジャパン・ハウス サンパウロ

 ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロの3都市の事業拠点において展開する日本の広報文化外交拠点の一つであり、幅広い層を惹きつけるべく様々な活動を行う日本の新たな発信拠点である。展示スペース、シアター機能のある多目的スペースの他、ショップ、レストラン、ライブラリー、カフェなどを備え、日本の伝統文化、ポップカルチャー、ハイテクノロジー、多様な食の魅力等を紹介しつつ、様々な情報を一括して入手できるワンストップ・サービスを提供する。

所在地 Av. Paulista 52 - Bela Vista -  São Paulo 

   
(写真 日本外務省 HP)
 

 サンパウロの拠点についてはパウリスタ大通りの一角に所在。2017年4月30日にオープニング式典が行われ、日本政府から麻生副総理兼財務大臣(当時)及び薗浦外務副大臣(当時)が、ブラジル政府からテメル大統領(当時)、他閣僚等が出席した。2024年(2月時点)には累計来館者数が約350万人に達するなど、サンパウロ市を代表する文化施設の一つとして広く認識されている。
 
 

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V. お知らせと注意

 

 呼称はレアル(R$): より原音に近い発音はヘアウ。複数形はヘアイス。レアル以下の単位は センターヴォ。
   紙幣は200、100、50、20、10、5、2の7種類。
   硬貨は1レアル、50、25、10、5、1(単位:センターヴォ)。


 ※外貨両替は空港のほか、市内外貨両替所で可能(市内銀行では両替不可)。また、1センターヴォ硬貨は滅多に流通しない。

 

 チップを渡すことは慣例としていないが、気持ちとして渡すことは差し支えない。渡す場合の例として、デリバリーの運搬者や駐車場にいるスタッフに渡す場合がある。

 

 ウエイター・ウエイトレスはテーブル毎に決まっており、会計の際にチップの代わりに食事料金の約10~15%がサービス料金として請求されるが、支払い義務はない。

 

 必ずビン又はペットボトルのミネラルウォーター(アグア・ミネラル)を飲むこと。水道水は飲料に適さない。
 

 メーターは距離と時間で加算される。タクシーには一般タクシーとラジオタクシー(電話呼び出し、一般タクシーより割高)と空港タクシー(国際線空港のタクシーは青いライン・国内線空港のタクシーは赤いライン)がある。初乗り料金は一般タクシーで4.50レアル(約1USドル相当)。20時から翌日の6時までは割り増し料金となっている。タクシーの運転手に目的地を明確に伝えるためにも目的地の名称と住所を書いたメモを渡すことをお勧めする。また、「99」や「UBER」等のアプリもよく利用されている。

 

 市内を縦横する地下鉄(メトロ)は市民に広く利用されている。正確且つ比較的安全な交通手段として現在、1号線(Linha Azul)、3号線(Linha Vermelha)、2号線(Linha Verde)が運行している。その他にも4号線(Linha Amarela)、5号線(Linha Lilás)もある。運行時間は全線4時40分から24時頃までとなっている。 
 切符は通常、地下改札口付近に設置されている有人の切符売場において購入する。料金は行き先に関係なく均一であり、一回乗車券5レアル(2024年1月1日に4.40レアルから値上がり)。バスターミナル等で購入可能な、サンパウロ州共通のチャージ式公共交通ICカードBilhete Unicoを使用すると、切符を毎回購入する手間を軽減できる。また、専用アプリで切符を購入し、スマホに表示されたQRコードを改札でかざし通過する方法もある。改札のシステムとしては、改札機に切符のQRコードをかざし、ターンスタイルを押して通過するものとガラス戸が開く方式がある。なお、出場時に切符の提示は求められない。 
別添3:サンパウロ市地下鉄地図

 

 バスには市営と民営があるが、何れも料金は同一であり、市内であれば乗車距離に関わらず一律4.40レアルである。乗車口・降車口は、バスによって異なるので一概には言えないが、前部から乗るのが一般的。バスの中央部にはコブラドールと呼ばれる車掌が座っており、同人にバス料金を渡すか乗車口付近のタッチパネルにICカードをかざして乗車する。バス内部には、路線図や停留所を告げるアナウンスがないので、乗客自身が降車場所に注意しておき、一つ手前の停留所を過ぎたタイミングで手摺りのボタンを押して運転手に降車を知らせる必要がある。バス停に寄っては、棒のようなものが立っているだけで一見バス停と気が付かないこともあるので注意する。

 

 洗濯物等は急ぎの場合、割増し料金を支払えばその日に届けてくれるが、通常は2、3日~1週間程度かかる(ホテルの場合、朝早く頼むと同日中に仕上げてもらえる。)。

 

 〇 サンパウロ・グアルーリョス国際空港:
   市内より約25km。車で約1時間。国内・国際線発着。タクシーで150レアル程度。
   別添2:グアルーリョス空港案内

 〇 サンパウロ・コンゴーニャス空港:
   市内より車で約30分の国内線専用空港。サンパウロ-リオ間のシャトル便や近隣都市へフライトで利用に適している。
   いずれの空港も出発の際には空港利用税が必要(但しチケットに含まれていることが多い)。 なお、雨天時や週末・祝日前には空港までの道のりに渋滞が発生しやすいので、余裕を持って予定を組むと良い。

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VI.買い物情報

 

パチオ・パウリスタ・ショッピングセンター / Shopping Center Pátio Paulista パウリスタ大通りにあるショッピングセンターで、映画館、フードコート、レストラン等がある。約300の店舗があり、終日賑わっている。地下鉄パウリスタ線ブリガデイロ駅、又は南北線パライーゾ駅、どちらからでも徒歩10分。
シダージ・サンパウロ・ショッピングセンター / Shopping Cidade São Paulo
パウリスタ大通りにあるショッピングセンターで2015年開館。領事館からサンパウロ美術館(MASP)方面へ徒歩5分。
イビラプエラ・ショッピングセンター / Shopping Center Ibirapuera
総床面積16万m2、4階建の巨大なショッピングセンター。周辺100万人の中流以上の消費層を対象にして建てられた同ショッピングセンターは常に全国ショッピングセンター中1、2の売り上げを争う。イビラプエラ大通りに面し、巨大なほぼ正方形の建物はかなり遠くからでも分かる。建物内通路が整然としているため、買い物がしやすい。店舗数460、映画館、フードコート、レストラン等完備。
イグアテミ・ショッピングセンター / Shopping Center Iguatemi
市内西部ファリア・リマ大通り中間にある約660店舗を誇る、ブラジルで最初にできたショッピングセンター。映画館を初め、フードコート、レストラン等を完備している。他のショッピングセンターと比べて高級感がある。
モルンビー・ショッピングセンター / Morumbi Shopping
市内南西部、ピニェイロス川沿いの新興ビジネス地区にあるショッピングセンター。店舗数約480、映画館、フードコート、レストラン、スポーツジムや有料の託児所も備える。
オスカール・フレイレ通り / Rua. Oscar Freire
高級ブティックが軒を連ねる通り。アンティークショップ、ブランド品、レストランが並んでおり、ファッショナブルな買い物客で賑わう。

 

スーパーマーケット

 Carrefour  生鮮食品、日用品、電化製品
 Extra  一部店舗は24時間営業。生鮮食品、日用品、電化製品     
 Pão de Açúcar       一部店舗は24時間営業。生鮮食品、日用品。

お土産
 お土産としてコーヒー豆、天然石(アクアマリン、アメジスト、トパーズ、トルマリン等)、革製品等が知られている。また、1962年に日本の草履にインスピレーションを受けて誕生したハワイアナス(Havaianas)のビーチサンダルや、2013年にブラジル国内で展開したロクシタングループのブランド、ロクシタン・オウ・ブラジル(L'Occitane au Brésil)のスキンケア商品、帝政時代のブラジル王室御用達のリオデジャネイロの老舗ブランドであるグラナード(Granado)の石鹸等が定番である。
 なお、スーパーマーケットでもコーヒーやチョコレート、カシャーサ(サトウキビの蒸留酒)などが購入可能。ただし、お土産用の包装は無料提供してくれないので各自で包装する必要がある。
 

覚えておくと役立つポルトガル語

“Obrigado(a)”
オブリガード(男性が言う場合)
オブリガーダ(女性が言う場合)
ありがとう
“Bom dia”
ボン ジーア
おはよう
“Boa tarde”
ボア タールジ
こんにちは
“Boa noite”
ボア ノイチ
こんばんは
“Tudo bem?”
トゥドゥ ベン
元気ですか?
“Meu nome é 〇〇”
メウ ノーミ エ 〇〇
私の名前は〇〇です。
“Socorro”
ソコーホ
助けて
“Chame a Polícia”
シャーミ ア ポリスィア
警察を呼んでください
“Chame a ambulância”
シャーミ ア アンブランスィア
救急車を呼んでください
“Alguém me ajude”
アウゲン ミ アジューダ
誰か手伝ってください
“Por favor, me leve ao hospital”
ポル ファヴォール、
ミ レーヴィ アオ オスピタウ
病院に連れて行ってください
“Ladrão”
ラドロン
泥棒
“Fogo / Incêndio”
フォーゴ / インセンジオ
火事だ
“Alguém fala japonês?”
アウゲン ファラ ジャポネース
誰か日本語を話せる人はいませんか?
“Por favor,
chame um médico que entenda japonês”
ポル ファボール、
シャーミ ウン メジコ キ エンテンダ ジャポネース
日本語のわかる医者を呼んでください
“Por favor, avise o Consulado do Japão”
ポル ファボール、
アビゼ オ コンスラード ド ジャポン
領事館へ連絡してください
 

犯罪現場で耳にしうるポルトガル語

“É um assalto”
エー ウン アサウト
強盗だ
Abra a janela” / “Abra a porta”
アブラ ア ジャネーラ / アブラ ア ポルタ
窓を開けろ/ドアを開けろ
“Me dá a carteira” / “Passe a carteira”
ミ ダ ア カルテイラ / パッセ ア カルテイラ
財布を渡せ
“Passe para o outro lado”
パッセ パラ オ オウトロ ラード
こっちの席に移れ
“Vá para o outro lado”
ヴァー パラ オ オウトロ ラード
こっち側に行け
“Não se mexa”
ノン セ メッシャ
動くな
“Não mexa em nada”
ノン メッシャ エン ナーダ
何処にも触るな
“Fique com as mãos no joelho”
フィキ コン アス マオス ノ ジョエーリョ
両手は膝の上に置いておけ
“Deixe eu revistar você” / “Vou te revistar”
デイシェ エウ ヘビスタール ヴォセー /
ヴォウ チ ヘビスタール
お前の身体をしらべる
“Calma”
カウマ
落ち着け / 騒ぐな
“Qual é a senha do cartão?”
クアウ エー ア セーニャ ド カルタン
暗証番号は?
“Diga a senha do cartão”
ジーガ ア セーニャ ド カルタン
暗証番号を言え
“Siga em frente” / “Vá em frente”
シーガ エン フレンチ / ヴァー エン フレンチ
前へ行け
“Vire à direita” / “Vire à esquerda”
ヴィーレ ア ヂレイタ / ヴィーレ ア エスケルダ
右に曲がれ / 左に曲がれ
 

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VII.通信

 

郵便

日本宛郵便 DDHLでの郵送が一般的。DHL利用の場合、所要日数は1週間程度、500gまでの書類は約100米ドルで郵送が可能。
一般国際郵便の場合、所要日数は3週間程度、2kgまでの書類は約10レアルで郵送が可能。
EMS(国際スピード郵便)の場合、料金は割高になるが、7~11日間程度で日本まで到着する。但し、郵便は紛失、送付遅延が発生する可能性があるため注意が必要。

電話のかけ方

1.電話会社番号
 (1)州内遠隔地
サンパウロ市外の場合
VIVO(15)、Claro(21)、Oi(14)、Tim(41)
※以下、発信する電話がVIVOの場合
0+電話会社の番号+DDD番号+相手先の番号
*DDD番号とは市外局番のことです
 例)サントス市(013)の123-4567にかける場合
0-15-13-123-4567(DDDの0をとる)
(2)州外の場合 0+電話会社の番号+DDD番号+相手先の電話番号
 例)ブラジリア(061)の123-4567
0-15-61-123-4567(DDDの0をとる)
(3)国際電話
(例・日本へ)の場合
00+電話会社の番号+国番号+相手先地域番号+相手先の電話番号
日本(国番号は81)東京(03)の1234-5678にかける場合
00-15-81-3-1234-5678(市外局番の0をとる)
 

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VII. 主要連絡先

 

ブラジル国番号(55) サンパウロ市市外局番(11)

緊急連絡先

警察190 消防193 救急車192

病院

サンパウロ日伯友好病院
Rua Pistóia 100 - Parque Novo Mundo - São Paulo
2633-2200
  ※日本語対応可
サンパウロ日伯援護協会リベルダーデ医療センター
Rua Fagundes 121 - Liberdade - São Paulo
3274-6500
※日本語対応可
サンタクルース日本病院
Rua Santa Cruz 398 - Vila Mariana - São Paulo
5080-2000
※日本語対応可
アインシュタイン病院
Rua Albert Einstein 627 - Morumbi - São Paulo
2151-1233
※英語対応可

主要連絡先

在サンパウロ日本国総領事館
Avenida Paulista 854 - 3º andar - Bela Vista - São Paulo
3254-0100
ブラジル日本文化福祉協会
Rua São Joaquim 381 - Liberdade - São Paulo
3208-1755
日伯援護協会(援協)
Rua Fagundes 121 - Liberdade - São Paulo
3274-6555
ブラジル日本都道府県人会連合会
Rua São Joaquim 381 - Liberdade - São Paulo
3277-8569
日伯文化連盟(アリアンサ)
Rua Dep. Lacerda Franco, 328 Pinheiros  - São Paulo
3031-5550 
ブラジル日本商工会議所
Avenida Paulista 475 - 13º andar - São Paulo
3178-6233
国際協力機構(JICA) ブラジル事務所
Alameda Santos 700 - 15º andar - Jardim Paulista - São Paulo  
3251-2655
国際交流基金サンパウロ事務所
Avenida Paulista 52 - 3º andar - Bela Vista - São Paulo

3141-0110/0843

日本貿易振興機構(JETRO) サンパウロセンター
Alameda Santos 771 - 1º andar - São Paulo
3141-0788

ホテル

Tivoli São Paulo Mofarrej
Alameda Santos 1437 - São Paulo
3146-5900
Radisson Hotel Paulista São Paulo
Alameda Santos 85 - São Paulo
2627-1000
Blue Tree São Paulo
Rua Peixoto Gomide 707 - São Paulo
3147-7000
Nikkey Palace
Rua Galvão Bueno 425 - Liberdade - São Paulo
3207-8511
Mercure Paulista
Rua São Carlos do Pinhal 87 - São Paulo
3372-6800
Transamerica Executive Paulista
Rua São Carlos do Pinhal 200 - Bela Vista - São Paulo
3016-7500
 

航空会社


カスタマーセンター:0800-595-0710

 

カスタマーセンター:+55 11 5503-5000

 

カスタマーセンター:0800-056-2599

 

カスタマーセンター:0800-777-2827

 

カスタマーセンター:0800-942-3372

 

カスタマーセンター:0300-570-5700

 

カスタマーセンター:0800-595-0728

 

カスタマーセンター:0300-115-2121

 
 

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別添1 在サンパウロ総領事館管轄区域図

 


サンパウロ、マット・グロッソ・ド・スール、マット・グロッソ各州及びミナス・ジェライス州の三角地帯

 

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別添2 グアルーリョス空港地図








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別添3 サンパウロ地下鉄地図 

(2023年12月時点)


 

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