海外安全対策情報：令和元年度第4四半期 （1月～3月）

1　社会・治安情勢
　　サンパウロの治安は依然として回復の兆しを見せず，サンパウロ市及び周辺の都市においては，けん銃を使用した強盗事件や強盗殺人事件などの凶悪事件が昼夜を問わず多発している。また，新型コロナウィルス感染拡大の影響を受け，街から人通りが無くなっていることから，更なる治安の悪化が懸念される。
 
2　一般犯罪・凶悪事件の傾向
（1）殺人・強盗・窃盗の認知件数は減少しているものの，邦人被害は多発しており，そのほとんどがけん銃を使用したもので，逃走や抵抗を企てると命に危険がおよぶ可能性が高いため，細心の注意が必要である。
（2）邦人被害
　　ア　窃盗
　　（A）パライゾ地区に居住する被害者家族は，2月22日（土）朝から旅行のため自宅不在としていた。同日23時頃，マンションの管理人からドアが開けられているとの連絡があり，所属企業の社宅担当者が部屋を確認したところ，木製の勝手口（荷物搬入用）がこじ開けられ，室内がひどく荒らされた状態であった。被害者は同社員からの連絡を受けて，旅行をキャンセルし，翌23日夕方マンションに戻り部屋の状況確認を行い，現金や宝石類が盗まれていることを確認した。
　　　　 管理人によれば，22日14時30分頃にラフな格好の男女2人組（30～40代）がマンション表門より入門しており，22日にパーテ
ィーがあったため，門番が訪問先等を確認せずに通してしまった。2部屋の空き巣被害が確認されてた模様である。
　　（B）3月31日（火）午後7時40分ころ，被害者がオフィスから徒歩にて帰宅途中，歩きスマホをしながらパウリスタ大通りからTeixeira da Silva通りに入ったところ，後方から自転車で近づいてきた男に携帯電話をひったくられた。
　　イ　強盗
　　（A）2月3日（月）午前10時ころ，被害者が自家用車で移動中、信号待ちのため停止していたところ、路肩にいた少年2人組が助手席の窓ガラスを割ろうと投石した。少年らは投石を数回繰り返したものの，窓に盗難防止フィルムを貼っていたため割ることができず，窓ガラスにヒビが入った程度で済んだ。被害者に人的被害はなし。
　　（B）3月20日（金）午後7時45分ころ，被害者が、薬局での買い物を終え店外に出たところ，10代半ば位の若い男2名に突然後ろから羽交い締めにされ「けん銃を持っている」等脅され，財布及び携帯電話を強取されたもの。
 
3　テロ・爆弾事件発生状況
　　テロ事件の発生は認知していないが，現金を目的とするATMの爆破はサンパウロ州郊外を中心に多数発生している。
 
4　誘拐・脅迫事件発生状況
　　邦人被害は認知していない。
 
5　日本企業の安全に関わる諸問題
　　特段の情報はない。