海外安全対策情報 令和4年度第3四半期(10~12月)
令和5年1月23日
1 社会・治安情勢
サンパウロ州の治安は依然として回復の兆しを見せず、サンパウロ市及び周辺の都市においては、けん銃を使用した強盗事件などの凶悪犯罪が多発しており、さらに、サンパウロ市セントロ地区においては、集団による強盗致傷事件が昼夜を問わず発生している。また、サンパウロ市中心部のパウリスタ大通りを中心に、様々な目的を掲げるデモが頻繁に発生している。
2 一般犯罪・凶悪事件の傾向
- コロナ禍の収束とともに、強盗・窃盗事件が増加しており、邦人が被害者となる事件の発生件数も増加傾向にある。
3 主な邦人被害
- 強盗・強盗致傷事件
- ア 10月15日(土)午後11時頃、リベルダーデ地区に位置するサン・ジョアキン駅付近において、被害者(駐在員)が携帯電話で通話しながら通行中、前方から現れた賊2名が、すれ違い様に被害者を後方に押し倒し、携帯電話を奪い取って逃走した。
- イ 11月7日(月)午後3時30分頃、セントロ地区に位置するルース駅構内の連絡通路において、被害者(旅行者)が徒歩で移動中、前方にドライバーを所持した賊が行く手を遮るように立ちふさがったことから、それを避けるために後方に移動しようとしたところ、もう1名の賊との間に挟まれ、首を押さえつけられる格好となり、ズボンのポケット内に入れていた携帯電話、腰につけていたウエストポーチの中から現金等在中の財布、身につけていたサングラスを奪われ、賊が所持していたドライバーにより、手の甲に軽傷を負った。賊2名は逃走したが、その後、財布に入れていたデビッドカードの不正利用が判明した。
- ウ 12月27日(火)午後2時30分頃、セントロ地区に位置するサンパウロ市場付近において、被害者(旅行者)が徒歩にて通行中、突然背後から賊に首を絞められ、もう1名の賊により、所持していたナップサックを奪い取られた。さらに、財布を出すよう要求されたため、ズボンのポケットに入れていた現金等在中の財布を差し出したところ、賊はそれを奪い取って逃走した。
- エ 12月31日(土)午前8時30分頃、セントロ地区に位置するセー広場において、被害者(旅行者)が徒歩にて移動中、柄の悪そうな少年たちが近寄り話しかけてきたので、ちょうど近くを警戒中であった警察官の方に向かって歩き、少年たちをやり過ごした。その後、店舗に立ち寄り買い物を済ませて店外に出たところ、中学生くらいの複数人の賊に話しかけられたものの、無視していたところ、身体の前に抱えていた、財布等在中のリュックサックをつかまれ、同時に複数人の賊から何度も顔面を殴られ、顔面に打撲傷、腕や足に擦過傷を負い、リュックサックを奪い取られた。被害者が意識朦朧としていたところ、付近を警戒中の警察官が駆け付け、被害者を保護したが、賊は逃走した。その後、財布に入れていたクレジットカードの不正利用が判明した。この日、被害者は早朝グアルーリョス空港に到着したが、乗り継ぎのフライトまで時間があったので、観光のためにUberで移動してきた、とのことであった。
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窃盗事件
- ア 12月4日(日)午前9時30分頃、サンパウロ市内からグアルーリョス空港へ向かうドゥットラ街道において、被害者(出張者)が会社の運転手、別の邦人とともに3名でレンタカーを使用して移動中、タイヤがパンクしたため、路肩に車両を停車させた。運転手がタイヤ交換を行うことになり、被害者等は車外に出て、後方の安全確認を実施した。およそ30分後、タイヤ交換が完了し、車内に戻ったところ、被害者が助手席の足下に置いていたはずの旅券等在中のリュックサックがなくなっていた。その際、閉めたはずの助手席のドアが半開きの状態となっていた。
- イ 12月29日(木)午後8時15分頃、パライゾ地区の路上において、被害者2名(駐在員夫妻)が買い物を終えて徒歩で帰宅途中、近くのベンチ付近にいた3、4人組の未成年の賊に、それぞれが所持していたバッグをひったくられた。賊は走って逃走したが、周囲の店は閉まっていて、人通りが少ない状況であった。
4 テロ事件発生状況
事件の発生は認知していない。
5 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害は認知していない。