海外安全対策情報 令和5年度第2四半期(7~9月)

令和5年10月4日

1 社会・治安情勢
 (1)サンパウロ州の治安は依然として回復の兆しを見せず、サンパウロ市及び周辺の都市においては、けん銃を使用した強盗事件やひったくり事件が多発している。さらにサンパウロ市セントロ地区においては、集団による強盗致傷事件が昼夜を問わず発生している。
 (2)また、上記犯罪事実以外にも、サンパウロ市中心部のパウリスタ大通りを中心に、様々な目的を掲げるデモが頻繁に発生しており、注意を要する。 
 

2 一般犯罪・凶悪事件の傾向
 コロナ禍の収束とともに、強盗・窃盗事件が増加しており、邦人が被害者となる事件の発生件数も増加傾向にある。 
 

3 主な邦人被害 

 (1)強盗事件
 8月23日(水)午後4時10分頃、ヴィラ・ピラジュサーラ地区の路上において、被害者が自家用車で信号待ちをしていた際、バイクに乗車した賊にけん銃を突き付けられ、指にはめていた指輪を奪い取られた。賊はそのまま逃走した。 

 (2)窃盗事件 

  ア 7月1日(土)午後11時30分頃、イタイン・ビビ地区の路上において、被害者(駐在員)が会食を終え、依頼した配車サービスを待機中、スマートフォンで時間を確認しようとしたところ、未成年と思われる賊が被害者に体当たりし、被害者が手にしていたスマートフォンをひったくって徒歩で逃走した。
  イ 8月11日(金)午後2時30分頃、パライゾ地区の路上において、被害者が友人ら複数人と徒歩で通行中、斜めがけにしたショルダーバッグのチャックが開いていることに友人が気付き、在中品を確認したところ、スマートフォンが盗まれていることが判明した。
  ウ 8月18日(金)午後10時頃、ベラビスタ地区の路上において、被害者が徒歩にて帰宅途中、自宅に戻る方向を確認するため、スマートフォンを取り出したところ、自転車に乗車した賊が被害者からスマートフォンをひったくって逃走した。
  エ 8月29日(火)午後5時頃、リベルダーデ地区に位置する飲食店内において、 被害者が知人と会話中に、椅子の背もたれに引っかけていたカバンがなくなっていることに気付いた。店内設置の防犯カメラ映像を確認したところ、被害者の後ろの席に座っていた賊(女性)が同席していた賊(男性)と入れ替わり、その後、賊(男性)がカバンを持ち去ったことが判明した。 

 (3)詐欺未遂事件
 9月1日(金)、被害者は、ブラジル国内に実在する銀行の電話番号から「あなたは○○で△△レアルの買い物をした。購入をキャンセル、または不明点がある場合は××まで電話してほしい」旨の連絡をショートメッセージで受けたが、心当たりがなかったため、指示された電話番号に電話を掛けた。応対した人物の指示に従い、銀行のアプリケーションで表示される残高及び自身のCPFを電話口で伝えたところ、返金手続きをするのでこのまま待つよう指示を受けたが、途中で相手が切断したため、詐欺の可能性を疑い、銀行のサービスセンターに問い合わせたところ、「銀行側からショートメッセージを通じて個人情報や電話を求めることは一切ない」との回答を受けたため、被害を未然に防ぐことができた。その後、見知らぬ電話番号からWhatsAppを通じて、キャンセルのプロセスを完了するために、再び電話するようメッセージを受けたが、それ以上取り合わなかった。  
 

4 テロ事件発生状況
  事件の発生は認知していない。 
 

 5 誘拐・脅迫事件発生状況
  邦人被害は認知していない。