海外安全対策情報 令和5年度第3四半期(10~12月)
1 社会・治安情勢
(1) サンパウロ州の治安は依然として回復の兆しを見せず、サンパウロ市及び周辺の
都市においては、けん銃を使用した強盗事件やひったくり事件が多発している。さらにサンパウロ市セントロ地区においては、集団による強盗致傷事件が昼夜を問わず発生している。
(2) また、上記犯罪事実以外にも、サンパウロ市中心部のパウリスタ大通りを中心に、
様々な目的を掲げるデモが頻繁に発生しており、注意を要する。
2 一般犯罪・凶悪事件の傾向
コロナ禍の収束とともに、強盗・窃盗事件が増加しており、邦人が被害者となる事件の発生件数も増加傾向にある。
3 主な邦人被害
(1) 強盗事件
ア 11月10日(金)午後6時10分頃、ベラ・ヴィスタ地区に位置する陸橋上において、被害者(駐在員)が自家用車で信号待ちの際、賊が助手席側窓ガラスをたたき割り、ダッシュボード下に設置していたスマートフォンを奪い取って逃走したが、その際、後部座席に乗車していた同乗者がガラス片で軽傷を負った。
イ 11月17日(金)午後4時30分頃、セントロ地区に位置する道路上において被害者(駐在員)が自家用車に乗車し、渋滞のため停車中、賊が助手席側窓ガラスをたたき割り、エアコン吹き出し口に設置していたスマートフォンを奪い取って逃走した。
ウ 11月28日(火)午後7時頃、被害者(永住者)がジュンジアイ市の自宅において夕食の準備中、賊らは無施錠の玄関から室内に侵入し、被害者の口を塞いで指輪を奪い取った上で、室内の物色を始めた。被害者夫婦が賊と交渉しようとしたところ、賊は激高して被害者を突き飛ばしたことで、被害者の夫が賊と取っ組み合いになり、賊の1名を取り押さえたものの、両腕を骨折した。
エ 12月10日(日)午後7時15分頃、セントロ地区に位置するルース駅付近の路上において、被害者(短期滞在者)が徒歩にて移動中、賊らに四方を囲まれ、斜めがけにしていた、旅券・現金・スマートフォン等在中のカバンを奪い取られた。
(2) 窃盗事件
ア 10月15日(日)午後1時頃、セントロ地区に位置するルース駅付近の路上において、被害者(短期滞在者)がファーストフード店の位置を確認するため、スマートフォンで地図を閲覧中、自転車に乗車した賊が被害者の所持するスマートフォンをひったくって逃走した。
イ 11月15日(水・祝)午後1時過ぎ、イピランガ地区に位置する公園内において、被害者(長期滞在者)が友人とともに写真撮影を行っていたところ、10メートルほど離れた位置にいた賊が被害者に向かって走り寄り、被害者が手にしていたスマートフォンをひったくって逃走した。
ウ 11月26日(日)午前9時30分頃、被害者(永住者)がベベドウロ市の親戚宅において団らん中、賊が寝室の窓から室内に侵入し、被害者のスマートフォンと旅券や現金等在中のバッグを窃取して逃走した。
エ 12月3日(日)午後6時30分頃、セントロ地区に位置するセー駅において、被害者(短期滞在者)が徒歩で通行中、賊に声を掛けられ、斜めがけにしていたカバン内からスマートフォンが盗まれていることに気付いたもので、賊が「50レアルと引換えにスマートフォンを返却する」と持ちかけてきたものの交渉が決裂し、賊はそのまま逃走した。
オ 12月12日(火)、被害者(出張者)がアルゼンチンからサンパウロに空路で向かう際、客席上の収納棚が満杯で自己のキャリーケースを収納できず、乗務員用保管スペースに預けることとなったが、実際には預け荷物として取り扱われたことから、グアルーリョス空港到着後、ターンテーブルにて自己のキャリーケースを確認することとなり、外側ポケット(無施錠)に入れていた旅券や現金が窃取されていた。
(3) 詐欺事件
被害者(短期滞在者)が、サンパウロ市、ベロオリゾンテ市及びフロリアノポリス市所在のスーパーやショッピングモールにおいて、日本で発行されたクレジットカードを使用したが、帰国後、身に覚えのない取引により、12月28日及び29日に2度にわたって、合計約23万円の利用履歴が認められた。カード会社に問い合わせたところ、いずれの取引も対面により、暗証番号が入力されていることが判明した。なお、被害者は12月25日、サンパウロ市内のパウリスタ大通りのATM機を使用して出金を試みたものの、うまく引き出すことができなかった。
4 テロ事件発生状況
事件の発生は認知していない。
5 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害は認知していない。