海外安全対策情報 令和6年度第4四半期(1~3月)

令和7年4月30日

1 社会・治安情勢 

  (1) サンパウロ州の治安は依然として回復の兆しを見せず、サンパウロ市及び周辺の都市においては、けん銃を使用した強盗事件やひったくり事件が多発している。さらにサンパウロ市セントロ地区においては、集団による強盗致傷事件が昼夜を問わず発生している。
  (2) また、上記犯罪事実以外にも、サンパウロ市中心部のパウリスタ大通りを中心に、様々な目的を掲げるデモが頻繁に発生しており、注意を要する。 
 

2 一般犯罪・凶悪事件の傾向 

  殺人事件や強盗事件は減少傾向にあるものの、窃盗は増加しており、いずれも依然として高水準を維持している。そのため、体感治安の改善はあまり感じられない。邦人が被害に遭う事件も引き続き多く、注意が必要な状況が続いている。  
 

3 主な邦人被害

 (1) 強盗事件(乗車中) 

ア 1月2日(木曜日)午後9時30分頃、賊はリベルダージ地区において被害者乗車中のタクシー後部窓ガラス(被害者乗車側)を鈍器のような物で叩き割り、膝上で所持していた被害者のスマートフォンを奪取して逃走したもの。邦人被害者に人的被害はなく、ホテル入室後、手持ちのパソコンでスマートフォンをブロックした。 

イ 2月18日(火曜日)午後7時40分頃、賊はパライゾ地区において被害者が一人で自動車を運転して移動中、信号待ちをしていたところ、助手席側窓ガラスを割りナビとして使用していたスマートフォンを強奪したもの。賊は犯行後、下り坂を走り去ったもの。人的被害はなし。 

ウ 2月26日(水曜日)午後11時30分頃、賊はサンパウロ中心部の路上において被害者乗車中のタクシー後部座席の窓ガラスを割り、スマートフォン、クレジットカード、現金が入ったバッグを奪取し逃走したもの。被害者は瞬間的に抵抗し窓ガラスの破片を全身に浴び、身体の数カ所に切り傷を負った。 

 (2) 窃盗事件 

      ア 1月9日(水曜日)午後7時40分頃、自転車乗車の賊2名はサンパウロ市チエテ長距離バスターミナル付近路上において、配車アプリを利用して位置情報を確認していた被害者に近づき、同人が所持していたスマートフォンをひったくり立ち去ったもの。人的被害はなし。 

  イ 1月23日(木曜日)午後1時過ぎ、賊はリベルダージ地区において被害者が背負っていたリュックサックのチャックを開け在中していたスマートフォンを窃取したもの。被害者は、帰宅後にはじめて被害に気づいたもので別に所有しているスマートフォンで窃取されたスマートフォンの位置情報を調べようとするも既に電源がきられており確認できなかった。また、窃取されたスマートフォンは何者かに乗っ取られていたことが判明した。人的被害はなし。 

  ウ 3月31日(月曜日)正午頃、賊はサンパウロ市ピニェイロ地区の路上において徒歩にて信号待ちをしていた被害者に近づき、同人所持のエコバッグ内のカードケースを窃取しいずれかへ立ち去ったもの。被害者は、エコバッグを触られる感触はしたが中身を確認するまで犯行に気づかなかったもので、カードケース内には外国人登録証やクレジットカード等が入っていた。人的被害はなし。 

 (3) 詐欺事件 

 2月24日(月曜日)午前10時頃、被害者が日本で発行されたクレジットカードでグアルーリョス国際空港内に設置のATM機で現金を引き出そうとしたところ、カードが挿入口に詰まってしまった。被害者は、強引に引き抜いた後その場を立ち去った。後日、クレジットカード会社から不審な利用があると通知を受け確認したところ、76,000円の不正利用が発覚したもの。

4 テロ事件発生状況
  事件の発生は認知していない。
 

5 誘拐・脅迫事件発生状況
  邦人被害は認知していない。