海外安全対策情報 令和7年度第1四半期(4~6月)

令和7年7月8日

1 社会・治安情勢
(1)サンパウロ州の治安は依然として回復の兆しを見せず、サンパウロ市及び周辺の都市においては、けん銃を使用した強盗事件やひったくり事件が多発している。さらにサンパウロ市セントロ地区においては、集団による強盗致傷事件が昼夜を問わず発生している。 

(2)また、上記犯罪事実以外にも、サンパウロ市中心部のパウリスタ大通りを中心に、様々な目的を掲げるデモが頻繁に発生しており、注意を要する。
  

2 一般犯罪・凶悪事件の傾向
 殺人事件や強盗事件は減少傾向にあるものの、窃盗は増加しており、いずれも依然として高水準を維持している。そのため、体感治安の改善はあまり感じられない。邦人が被害に遭う事件も引き続き多く、注意が必要な状況が続いている。
 

3 主な邦人被害
(1) 詐欺事件(カード)
 5月28日(水曜日)午後5時頃、賊(モトボーイ)はサンパウロ市シャカラ・イングレーザ地区所在の親戚宅から帰宅しようとした被害者に対し「被害者宛の重要な配達物がある」と告げ、スマートフォンの画面に表示された被害者氏名及び納税者番号を示した上で配達料8.90ヘアルのカード決済を求めた。被害者がクレジットカードを決済端末に挿入したところエラー表示となり、賊は「カードに問題がある」と主張。被害者は複数のクレジットカードを使って再度試みたが全てエラーとなった。賊は「後日改めて来る」と言ってその場を立ち去った。その後不審に思った被害者がクレジットカードのアプリで使用履歴を確認したところ1枚のクレジットカードで5,000ヘアルの不正利用(買い物)が行われていたことが判明した。なお、他のクレジットカードでも同様に買い物が試みられていたが、カード会社の不正検知システムによりブロックされ被害には至らなかった。

(2) 窃盗(ひったくり)
 6月27日(金曜日)午後5時45分頃、3人組の賊はサンパウロ市セルケイラ・セーザル地区アウグスタ通り所在の薬局駐車場において、薬局に向かって道路に背を向けていた被害者が、スマートフォンで次の目的地を確認していたところそのスマートフォンを奪いそのまま逃走したもの。被害者に人的被害はなかった。カード情報は別端末からログインをして削除した。
 

4 テロ事件発生状況
 事件の発生は認知していない。 
 

5 誘拐・脅迫事件発生状況
 邦人被害は認知していない。