令和7年度外務大臣表彰受賞者について

令和7年8月28日
氏名 肩書き 住所
安藤 晃彦 元サンパウロ大学ルイス・デ・ケイロス農学部教授 サンパウロ州ピラシカーバ市
(主な功績)
同人は、昭和33年に東京大学農学部を卒業後、農業技師としてブラジル国に移住。サンパウロ大学において長年に亘り植物の育種研究に尽力。昭和41年に同大学の農業原子力センターの開設に携わり放射線遺伝学研究室長に、昭和47年に教授に就任した。日本の「原子力を利用した品種改良技術」を現地で初めて実用化して新品種の育成に務め、サンタ・カタリーナ州立農場試験場と共同開発した品種は「アンドウ・サン」と同人の名が冠された。また平成4年から実施された「日伯合同野生イネ研究グループ」で主導的役割を果たすなど、両国間の学術交流と国際協力の推進に貢献した。
 
氏名 肩書き 住所
アレシャンドレ・龍也・飯田 酒蔵 ADEGA DE SAKE 代表 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成16年にブラジル国において日本酒専門店「Adega de Sake」を設立し、日本酒の日本産食品市場の拡大に精力的に携わる。同国にて初のポルトガル語による日本酒説明サイトを立ち上げ、また日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会の利酒師の資格を取得した他、日本政府主催の各種イベントでの講演、和食コラムニスト、イベントオーガナイザー等として多くの人に日本酒・日本食の魅力を伝えてるなど、日本酒の普及に貢献している。また、平成27年に南米初となる酒サムライの認定を受けた。
 
氏名 肩書き 住所
上村 恵ジャイロ 元希望の家福祉協会理事長 サンパウロ州グアルーリョス市
(主な功績)
同人は、平成11年からブラジル国の希望の家福祉協会の理事として、平成21年から6年間を理事長として、長年に亘り日系を中心とする心身障害者のために尽力してきた。心身障害者を受け入れる同施設において、入居者のリハビリや機能維持に向けたプロジェクトを推進し、コンピューターを利用した視聴覚と運動機能改善のリハビリ室を設置した他、生活環境改善のため、寮の改修工事や屋外活動スペ-スへの大屋根設置を実施するなど、日系社会の・健康福祉向上に貢献。また、同人は外務省研修生OB・OG会会長として、日本とブラジルの相互交流にも貢献した。
 
氏名 肩書き 住所
リカルド オオタケ 元トミエ・オオタケ・インスティトゥート館長
トミエ・オオタケ・インスティトゥート理事長
サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成13年にトミエ・オオタケ・インスティトゥートを設立して館長に就任。日本人、日系人の芸術展を多数開催し、両国間の文化交流に尽力してきた。同人の母親の大竹富江氏はブラジルを代表する日系人芸術家であり、同人は母親の作品のみならず、写楽、草間彌生、コシノジュンコ等、日本を代表する作家の作品を展示し、日本文化の普及に寄与。また近年は、両国文化の融合から生じる新たな価値観に焦点を当てた展示を開催するなど、両国の文化交流の促進に貢献している。
 
 
氏名 肩書き 住所
織田 順子 サンパウロ大学哲学・文学・人文科学部東洋文学科准教授 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
昭和63年からサンパウロ大学にて日本語講師として教鞭を執り、平成8年に准教授、平成15年に同大学日本文化研究所所長に就任し、長年に亘り日本語と日本文化の普及に努めてきた。日本語学習基礎研究に関する著書を発表し、また夏目漱石「こころ」や「枕草子」といった日本文学のポルトガル語翻訳を行い現地における日本文学への関心を高め、同人は現地の書籍協会より最優秀翻訳賞を受賞した。また愛知県立大学との協定のコーディネーターを務める等、学術交流においても貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
レイコ・ゴトウダ 翻訳者 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
同人は、平成11年にブラジル国において吉川英治著「宮本武蔵」をポルトガル語に翻訳して出版。以降、多数の日本文学のポルトガル翻訳本を出版し、日本文学の普及に努めてきた。同人の活動により現地において日本文学が広く認知されるようになり、「宮本武蔵」は現地における日本文学で最大の販売数を誇る作品として知られている。また同人は、谷崎潤一郎、村上春樹、大江健三郎など著名な作家の作品を多数翻訳し、日本文学の作品の普及に貢献し、また日本文学を通じた相互理解と友好親善の促進に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
頃末 アンドレ龍彦 元社会福祉法人こどものその理事長 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
同人は、平成4年にブラジル国にて日系人を対象とした知的障害者施設「社会福祉法人こどものその」の理事に就任、平成26年に理事長に就任し、その後も評議員会会長等として33年に亘り同施設の運営に携わり、福祉のために尽力してきた。同国の福祉施設は自助努力での運営が求められ、同人は多角的な寄付勧募や行事の主催、同人の人脈によるボランティアの受入れ等により運営の安定化を図り、また障害者の社会受容の促進のため、日系イベントでの太鼓披露や日本アニメの展示会でのコスプレ参加等を推進するなど、日系人への福祉活動に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
佐藤 直 元サンパウロ大学薬学部教授 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
同人は、平成8年にブラジル国サンパウロ大学薬学部教授に就任。以降、「光合成微生物の産業利用」と「産業廃棄物の利用」を目的に、藻類バイオマス、発酵によるエタノール生産等を研究する傍ら、平成4年に日伯研究者協会理事に、平成14年に会長に就任。日本の提携大学やJICAと協力し、各分野における共同研究や研修の推進、日伯両国でシンポジウムの開催等、日伯研究者間の学術・研究交流に貢献している。また同人は、日系人高齢者福祉施設の「憩の園」会長も務め、コロナ禍にあっては自身の専門知識を生かして感染を最小限に抑える等、高齢者の福祉にも貢献。
 
氏名 肩書き 住所
カルロス・タカハシ ジルベルト・カサビ特別補佐官 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成7年からブラジル国においてジルベルト・カサビ議員の特別補佐官を務める傍ら、日系社会と日伯関係のために長年に亘り尽力してきた。重要な周年行事や皇族訪問等において自らの幅広い人脈を活用して調整に奔走し、またサンパウロ日本祭りでは昭和63年より運営委員として携わり州・市政府要人の参加を実現し、自ら司会を務め祭りの気運を盛り上げる等、両国の友好親善に寄与。加えてリベルダーデ文化福祉協会運営委員長の他、ブラジル日本文化福祉協会、県人会等の日系団体に所属して日系人社会の地位向上に努め、両国の相互理解の促進に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
谷口 眞一郎 ブラジル日本都道府県人会連合会会長 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
同人は、平成27年にブラジル和歌山県人会会長に、ブラジル日本都道府県人会連合会において理事、副会長を歴任し、令和6年に会長に就任し、長年に亘り日系社会の発展に尽力してきた。同人は、和歌山県人会会長として和歌山県における記念事業への参加や、日本からの訪問団の受入れを積極的に行い、また県連会長として「日本祭り」を主導するなど、日本との連携、日系人同士の連携の強化に努めてきた。また同人は、各地の日系団体のネットワーク化にも務め、各団体が抱える課題やその対策について意見交換を行うなど、日系社会の発展に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
辻󠄀 雄三 元高齢者養護施設さくらホーム運営委員長 サンパウロ州サン・ジョゼ・ドス・カンポス市
(主な功績)
同人は、昭和29年にブラジル国に移住。カンポス・ド・ジョルダン市にて花屋を開業する傍ら、平成23年に日系人高齢者養護施設のさくらホーム運営委員長を務め、日系高齢者の福祉のため尽力してきた。同市は日本由来の桜の名所で知られ、同人は同ホームにて開催される主な収益源である「桜祭り」において、日系の文化・芸能団体による協力を実現し、また会場の整備に務め、2万5千人の観光客を集めた。またカンポスさくらクラブ会長も兼任し、自身の農業技術を生かし、同市内に植樹されている桜の維持管理を長年に亘り行い、友好親善の促進に貢献してきた。
 
氏名 肩書き 住所
土井 セルジオ紀文 元サントス日本人会会長 サンパウロ州サントス市
(主な功績)
同人は、平成17年にブラジル国のサントス日本人会理事となり、平成21年に会長に就任。長年に亘り移住者支援のため尽力してきた。特に同人は会長として、平成20年に返還された日本人会館の修復と同会運営の日本語学校の整備を主導し、平成24年に落成に至った。現在、サントス市で唯一のブラジル日本語センター加盟の日本語学校として日系、非日系を問わず多くの生徒が利用し、日本語普及と友好親善の場となっている。また同人は、サントス日本文化祭りの開催を主導し、サントス市の一般市民も参加する行事へと成長させ、相互理解と友好親善の促進にも貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
西本 和生 サンパウロ大学工学部船舶・海洋工学科教授 サンパウロ州コチア市
(主な功績)
昭和61年に海洋工学分野における権威であるサンパウロ大学工学部の船舶・海洋工学科教授に就任。研究者として活躍する傍ら、同人は日本とブラジルの大学機関等における学術的交流の促進に尽力してきた。「海洋工学大学院プログラム」を手掛け、日本から4大学、ブラジルから5大学の参加を実現し、また海洋工学に関する横浜国立大学との協定や、東京大学との教員の交流プログラムに携わった他、日本企業と連携してセミナーの開催等を行う等、両国間の学術交流の促進に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
マダレナ ナツコ ハシモト コルダロ 元サンパウロ大学 哲学・文学・人文科学部 東洋文学部 准教授 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成2年よりサンパウロ大学東洋文学部にて教鞭を執り、平成8年に准教授となり、日本文学、日本美術について指導する傍ら、平成25年に同大学日本文化研究所所長に就任。長年に亘り日本語と日本文化研究の振興に尽力してきた。同人は「枕草子」「羅生門」のポルトガル語翻訳プロジェクトのコーディネーターを務め、また現地における浮世絵研究に関する第一人者として、多数の研究プロジェクトや著書を発表、書籍等への論文の寄稿を行い、日本文学と日本文化の普及に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
カルロス・ハラサワ ブラジル日本文化福祉協会 元文化担当理事 現第3副会長 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
令和元年にブラジル日本文化福祉協会の文化担当理事に就任。同団体が実施する日本文化関連行事の企画・運営を担ってきた。同人は、日本民謡や日本の伝統楽器を用いたコンサート等を主導し、日本文化の普及と両国の相互理解の促進に貢献してきた。また、オゼスピ財団理事としてにサンパウロ州立交響楽団及びサンパウロを代表する劇場の一つ「サーラ・サンパウロ」の管理・運営に携わっていた際には東日本大震災犠牲者追悼チャリティーイベントや日本アニメ音楽のコンサートを開催するなど、両国の友好親善と相互理解の促進に貢献した。
 
氏名 肩書き 住所
本間 ヒデコ 陶芸家 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成8年頃に佐賀県の有田と伊万里にて陶芸を学び、平成12年にサンパウロにアトリエを開設、現地を代表する陶芸作家として活躍している。日本の陶芸家から学んだ技術と現地の素材を融合させて制作された同人の作品は、平成20年の皇太子殿下歓迎晩餐会の際にも使用された他、日系人の縁の場所にて展示されている。また同人は、アトリエにて「一期一会」の精神と共に陶芸の指導に努め、生徒達が制作した作品の展示・販売会を開催するなど、陶芸を通じた日本文化の普及と文化交流に貢献している。
 
氏名 肩書き 住所
シェン 響盟 リベイロ フルート、尺八奏者 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
昭和63年に東京藝術大学で山口五郎氏(人間国宝)に師事し、平成25年に琴古流尺八竹盟社の師範となり、竹号「響盟」を名乗る。その間、日本において両陛下の御前にて尺八を披露した。平成15年頃よりブラジルにおいて、尺八奏者として日本の伝統音楽や伝統楽器の普及に努め、またブラジル邦楽協会会長として日伯両国の文化交流に貢献してきた。平成28年のリオ五輪閉会式では、五輪旗引継時の演奏曲で尺八パートを担当し、また駐日ブラジル大使館、在サンパウロ日本国総領事館等と協力して文化交流事業に携わるなど、両国の文化交流の促進に貢献している。
 
団体名称 住所
外務省研修生ブラジルOB会 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成9年にブラジル国にて正式設立(定款登録。活動自体は昭和41年から開始)。昭和40年に開始された中南米若手日系リーダーの外務省招へいプログラム経験者が参加し、同国内の各分野で活躍している元研修生、日系社会関係者、日本政府関係者との交流や情報交換を実施し、両国の関係強化に尽力。また研修生への訪日前ブリーフ、訪日後のフォローアップを行い、プログラムの円滑な運営に協力している他、ラテンアメリカ会議の開催にも携わり、中南米諸国の元研修生との交流を通じて、各人の訪日後活動フォローアップと日系社会の活性化に貢献している。
 
団体名称 住所
サンパウロ商業連盟社会サービス サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
昭和21年にブラジルにて設立、スポーツ振興事業の中で日本の柔道と空手教室を各支部にて開講し、日本武道の普及に努めてきた。その後、昭和61年に舞踏家大野一雄氏の舞台公演を契機として、長年に亘り日本文化関連の公演や事業を展開、日本文化の普及に寄与してきた。独自で、または国際交流基金等との共催により、日本の伝統芸能である歌舞伎や能、文楽等の舞台公演の他、多数の日本映画祭や日本人アーティストの公演を開催、現在までにその回数は70回を超える。多様な文化事業の開催を通じて日本文化の普及と両国の相互理解及び友好親善の促進に貢献している。
 
 
団体名称 住所
パウリスタ柔道連盟 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
昭和33年にサンパウロにて設立。日本人移住者と共に同国に渡った柔道を、日系社会及び講道館等とも連携しつつ、競技としてサンパウロ全土に普及させることに尽力してきた。現在も無償での柔道教室提供等に力を入れており、サンパウロにおける柔道の一層の裾野拡大に努め、柔道と日本の精神の浸透及び両国の相互理解に貢献してきた。競技団体としても、これまでオリンピックで計20のメダルを獲得する等、ブラジル全土の柔道連盟中最も大きな実績を上げており、現地における柔道の振興に貢献している。
 
団体名称 住所
 ブラジル日本語センター サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
昭和60年にブラジルにて設立し、以降、約40年に亘り、日本語教師の育成、日本語学校の支援、教材製作に取り組み、継承日本語を扱う教育機関の支援に尽力してきた。また同団体は、南米各国の日本語教員が参加する汎米日本語教師研修会をこれまで39回実施し、地域の日本語教育の底上げに貢献し、また同団体が平成17年から開始した日本語学習生徒の訪日研修である「ふれあい日本の旅」は、日本での日本語実地学習に加え、皇族の御引見を賜るなど、同国における日本語の普及と親日家の育成に貢献している。
 
 
団体名称 住所
 文部科学省国費留学生会 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成5年にブラジルにて設立。以降30年以上に亘り、国費留学生の選考、留学生への支援、国費留学制度にかかる広報等に務め、優秀な学生の発掘・選出に貢献してきた。約1,100名もの帰国留学生が所属する同団体には、二宮正人サンパウロ大学教授、故ススム・フジタ大使等、多様な分野において活躍する著名な人物も所属するなど、親日家で形成される同団体のネットワークは両国間交流において貴重なものとなっており、学術や文化など多分野における両国間の交流に貢献している。
 
 
団体名称 住所
 日本留学生研修員ブラジルOB会 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
平成3年にブラジル国にて設立。日本研修員経験者が参加し、国費留学、県費留学、JICA研修等により訪日する予定の研修員への講習や、サンパウロ日本祭りや日本語スピーチコンテスト等に携わり、留学や研修に関する広報を行うなど、円滑な事業の実施と親日家の育成に尽力してきた。訪日予定の研修員に日本語、日本文化、日本社会等に関するセミナーやオリエンテーションを行い、また留学生と研修生の横断的な交流の場を提供する等支援し、両国の架け橋となる人材育成に貢献している。
 
 
団体名称 住所
ブラジルラジオ体操連盟 サンパウロ州サンパウロ市
(主な功績)
同団体は、昭和53年にブラジル国サンパウロの東洋人街(リベルダーデ地区)の商工会内の「体操部」として発足。当時日本から来訪したラジオ体操連盟講師と同体操部との交流が行われたのを皮切りに、両国間の関係者交流が活発化し、ブラジル連盟の日本ラジオ体操大会への参加、ラジオ体操を通じた両国の人的交流に貢献。現在も毎年1回、ブラジル国内各地方支部を集めたラジオ体操大会をサンパウロで開催する他、日本関連行事等でラジオ体操の実演を行い、また新たな講師の育成も行う等、ラジオ体操の普及に貢献している。