鈴木総領事からのメッセージ(ブラジル日本移民の日)

令和8年の「日本移民の日」を迎えるにあたり、皆様に御挨拶を申し上げます。
1908年6月18日、笠戸丸がサントス港に到着してから、本年で118年となります。遠く離れた異国の地に希望を抱いて渡航された日本人移住者の方々は、慣れない環境の中で幾多の困難に直面しながらも、勤勉さと忍耐、そして助け合いの精神によって道を切り拓かれました。農業に始まり、今や政治、経済、教育、文化、学術、医療、法曹、スポーツなど、幅広い分野で活躍の場を確固たるものとされてきた日系社会の歩みは、今日のブラジル社会の発展、そして日伯両国の友好関係の礎となっています。先人の皆様のご努力とご苦労に対し、改めて深甚なる敬意を表します。
私は子どもの時に約6年間、ブラジル(サンパウロ、リオ・デ・ジャネイロ、ヴィトリア)で暮らしました。ブラジル人の温かさ、多様性に富む社会と文化、広大な大地と自然は私の心に強い印象を残しました。そして外交官となった後には、ブラジリアの在ブラジル日本国大使館で勤務する機会を得て、その後昨年10月に在サンパウロ総領事としてこの地に戻ってくることができました。大きなご縁と責任を感じつつ、改めてブラジルという国の多様性と包容力、そして日系社会がこの国で果たしてきた役割の大きさを実感しております。
現在、世界最大のブラジル日系社会においても世代交代が進んでいますが、日本文化や日本的価値観を大切に受け継ごうとする姿勢は、若い世代にも確かに息づいています。先日、サンパウロで19年ぶりにCOPANI(パンアメリカン日系人大会)が開催され、米州各国で活躍する日系人の方々が参加されました。「変革をリードする」という大会のテーマの下、多くの日系人の皆様が積極的に参加される姿を見て、各国の日系団体や教育機関、文化活動に携わる諸先輩方の不断の努力により、次の世代へ「敬意」「誠実」「協同」などといった価値観が受け継がれていることを心強く感じた次第です。
2028年には、日本人のブラジル移住120周年という大きな節目を迎えます。この歴史を振り返り、先人たちの歩みに学びながら、未来に向けて日伯関係を更に発展させていくことが、私たちに求められているのではないでしょうか。在サンパウロ日本国総領事館としても、皆様と共に歩み、日系社会の発展と日伯友好の更なる深化のため、力を尽くして参ります。
結びに、「日本移民の日」にあたり、ブラジル日本人移住の先人の皆様に改めて敬意を表するとともに、日系社会のますますの発展と、皆様のご健勝、ご多幸を心よりお祈り申し上げます。
在サンパウロ日本国総領事
鈴木 誉里子